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2021.06.25 【居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除の制限とは】新潟の税理士がお送りするブログ

【居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除の制限とは】新潟の税理士がお送りするブログ

 

令和2年度の税制改正での話になりますが、居住用賃貸建物を取得しても消費税の仕入税額控除ができなくなりました。
令和2年10月1日以後の取得に対して適用されていますので、今後の消費税納税額に影響してくる事業者様もおられることでしょう。

 

仕入税額控除とは

 

納める消費税額の計算の仕組みですが、簡単に言ってしまうと、売上にかかる消費税額から仕入や経費にかかる消費税額を差し引いて(これを控除するという)求めます。
この仕入や経費にかかる消費税額を仕入税額控除額といいます。仕入税額控除の対象となるものは、事業に関係する課税仕入の経費のみです。

 

仕入税額控除の対象になるものの例

  • 商品や原材料などの仕入
  • 機械や建物などの固定資産の購入費用
  • 事務用品や消耗品などの経費

一方で、給料など消費税のかからないものは、仕入税額控除の対象になりません。

 

今回のテーマになっている居住用賃貸建物の購入費にも消費税が含まれていますから、今までは仕入税額控除をすることが可能でしたが、税制改正でこれができなくなったのです。

 

居住用賃貸建物とは

 

では居住用賃貸建物とは、どういったものでしょうか。 それについては、国税庁で

 

住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するもの

引用:消費税法改正のお知らせ(R2年4月 国税庁)

 

とされています。
これだけだと、ちょっと分からないですね。

 

高額特定資産とは、税抜きの取得価格が1千万円以上の棚卸資産または調整対象固定資産のことを言います。
そして調整対象自己建設高額資産とは、購入ではなく建設した資産で税抜きの建設価格が1千万円以上の資産のことを言います。

 

つまり、居住用賃貸建物とは、住宅貸付用の建物(目的が不明なものを含む)で、購入価格や建築価格が税抜きで1千万円以上の建物ということです。

 

居住用賃貸建物に該当する例

 

居住用賃貸建物に該当する 居住用賃貸建物に該当しない
・賃貸目的で購入又は建築した
マンションやアパート
・社宅目的の建物
・老人ホームとして
使用する目的の建物
・自社の事務所、工場、店舗、旅館、
ホテルとして使用する建物
・販売目的で購入
または建築した建物

建物の一部が店舗用の場合

 

建物全てが居住用マンションであったり、全てが店舗用であればわかりやすいでしょう。
しかし、建物の1階部分が店舗用で、2階より上が貸付け用の居住用マンションになっている場合はどうなるのでしょうか。
その場合、合理的に区分されていれば店舗用の部分に関しては仕入れ税額控除をすることができます。
「合理的に区分している」の部分について、国税庁では下記のように述べています。

 

この場合の「合理的に区分している」とは、使用面積割合や使用面積に対する建設原価の割合など、その建物の実態に応じた合理的な基準により区分していることをいいます。
このため、共用部分について、これらの合理的な基準により「居住用賃貸以外の部分」と「居住用賃貸部分」とに区分しているときは、その共有部分のうち居住用賃貸部分に区分された部分に係る課税仕入れ等の税額について、仕入税額控除が制限されます。
引用:国税庁Webサイト「建物の一部が店舗用となっている居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除の制限」より

 

要するに、使用面積や使用面積に対する建設原価を使用して按分すれば、店舗部分に関しては仕入税額控除が認められるということです。
上記の他にも、状況によって仕入税額控除が認められるケースがありますので、総合的な判断が必要なこともありえるでしょう。

 

消費税の考え方

 

消費税では原則として非課税の売上に対する支出(仕入費用や経費)は非課税であると考えます。
そのため、住居としての貸出を目的とした建物(家賃には消費税がかかっていません。 ← 非課税の売上)に関し、仕入れ税額控除が認められなくなったことは、消費税の性格(原則)により近づけた改正と言えるかもしれません。

 

購入価格が高額になる居住用賃貸建物ですので、その消費税分が仕入税額控除できなくなることは資金繰りにも影響してくる重要なことになります。
ぜび参考にしていただければと思います。

※当ブログの記事は執筆時の法律に従って書かれています。
法改正等により記載内容との相違がある場合がございます。
あらかじめご了承ください。

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