2011.10.07 【消費税のおまけ~課税売上割合95%ルール】新潟の税理士がお送りするブログ
ここ数日で秋深まり過ごしやすさを満喫しているはずだったのですが、新潟は寒い、本当に寒いんです。
本当ですよ。
アンデス山脈はここに「あんです」くらい鉄板で寒いんです。
衣替えなんて追いつかず風邪気味の岩井がお伝え致します。
私は風邪かなと思うと直ぐに医者へ行く派なんですが、先日処方された薬を飲むとものすごく眠くなったので、缶コーヒーを買いに行きました。
缶コーヒーを買うときはおまけがついているのをついつい買ってしまうんです。
おまけっていいですよね、完全に得した気分になれちゃいます。
そんなおまけが、消費税課税事業者にとっての「おまけ」が無くなってしまいます。
95%ルール
消費税額計算の原則は、仕入れ等に係る消費税のうち、課税売上に対応するもののみが仕入税額控除の対象となります。
しかし、事業者の事務負担を軽減するという観点から 課税売上割合が95%以上となる場合には、仕入れ等に係る消費税額全額を仕入税額控除の対象とする95%ルール(おまけ)がありました。
原則と95%ルールの簡易比較
計算方法 | 計算式 | 消費税額 |
原則 | 10,000円×5%-5,000×5%×98% | 255円 |
95%ルール | 10,000円×5%-5,000×5% | 250円 |
*条件 課税売上:10,000円 非課税売上:200円 課税仕入等:5,000円
*課税売上割合=(10,000円-200円)÷10,000円=98%
*課税仕入等は全額が課税売上と非課税売上の共通仕入とする
95%ルールが適用されなくなる
しかし、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から課税売上高が5億円(税抜き)超の事業者については95%ルールを適用しないこととなりました。
当社のお客様は中小企業が中心ですが、業種によっては課税売上が5億円を超える企業は多く、消費税の計算方法を原則で行わなければならない企業が増加すると思われます。
消費税を原則の方法で計算するとなると、「個別対応方式」「一括比例配分方式」のどちらかを選択することになります。
計算方式 | 計算式(控除する消費税額) | 事務負担 |
個別対応方式 | 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入等の税額の合計額 +その他の課税仕入等の合計額×課税売上割合 |
多 |
一括比例配分方式 | 課税仕入等の税額の合計額×課税売上割合 | 少 |
95%ルールが無くなることによる実務への影響としては、「消費税額の増加」及び 「事務負担の増加」が考えられます、どちらも企業にとってはマイナス要素です。
消費税額の増加については、おまけが無くなるわけですから避けようがありませんが、それぞれの計算方式による税額を比べ、少ない方で申告することになります。
事務負担の増加については、一括比例配分方式を適用することにより軽減することはできますが、一度適用すると2年以上継続した後でなければ個別対応方式に変更ができない ため、翌期を考慮した上で適用する必要があります。
いずれにしても、企業にメリットは無く消費税額・事務負担共に増加すると思われます。
企業の海外進出による産業の空洞化が依然として大きな問題となっていますが、税率の 違いだけではなく、各国が日本企業誘致のためのいろいろなおまけも影響しているようです。
おまけって大事ですね。
先日、4歳の息子と本屋へ行きました。
2冊の本を手に取っていましたが、こっちにすると1冊持ってきました。
理由は「おまけが豪華だから」。
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