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2020.12.15 【法人設立時の資本金と消費税の関係】新潟の税理士がお送りするブログ

【法人設立時の資本金と消費税の関係】新潟の税理士がお送りするブログ

 

事業を行う場合、様々な税金がかかりますが代表的なものとして消費税が挙げられます。
消費税の課税事業者となるかどうかの判定はとてもややこしいのですが、法人を設立したらすぐに消費税を納めなくてはならなくなるのでしょうか?

消費税のイメージ

一般の消費者としての消費税と、事業者としての消費税はちょっとイメージが違いますので、ごく簡単に。
例えば帰り道コンビニによってジュースを買うと、消費税を払いますよね?
しかし、ジュースを買った私たち(消費者)は、直接国に対してお金を(消費税)を支払っていません。
この消費税は、ジュースを買ったコンビニ(事業者)が預かり(売り上げに関する消費税)、コンビニが仕入れにかかった消費税と相殺して、差額分を「消費税」として納税しています。※原則的なイメージです。
今回は、この事業者が法人になったばかりの場合(新規法人設立時)、いきなり消費税の課税事業者となるのかどうか、法人設立時の資本金又は出資金の額との関係から説明します。

 

そもそも消費税の課税事業者になるかどうかの原則的な判定は、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以上/未満で判定され、1,000万円以上の場合課税事業者となります。
基準期間とは、前々事業年度(個人事業主の場合、前々年)を指します。
新規法人設立の場合、まだ0歳で前々事業年度どころか前年もないわけですから、

したがって、新たに開業した個人事業者又は新たに設立された法人のように、その課税期間について基準期間における課税売上高がない場合又は基準期間がない場合には、原則として納税義務が免除されます

出典:No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき – 国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm)

 

しかし、資本金の額によっては、納税義務が免除されない場合があるのです。

 

資本金1,000万円は消費税の課税事業者

 

資本金 第1期目 第2期目
1,000万円未満 免税 免税
1,000万円以上 課税 課税

 

法人設立時に資本金の金額が1,000万円未満の場合は、設立後の第1期目と第2期目は消費税の免税事業者となります。
対して、設立時の資本金の金額が1,000万円以上の場合はどうなるかといいますと、第1期目から消費税の課税事業者となり、消費税を納税することになります。

 

資本金による判定はどのようにされているのか

 

法人設立後の第1期目と第2期目は、各事業年度の開始の日(以下、期首)の資本金で判定することになっています。
例えば、設立第1期目の期首資本金が900万円、第1期目の途中で資本金1,000万円に増資した場合はどうなるでしょうか。

第1期目は免税事業者、第2期目は課税事業者となります。
逆に第1期目の資本金が1,000万円、第1期の途中で900万円に減資した場合は、第1期目は課税事業者、第2期目は免税事業者になります。

 

1期目の期首資本金 課税/免税 2期目の期首資本金 課税/免税
900万円 免税 増資 1,000万円 課税
1,000万円 課税 減資 900万円 免税

 

出資額の一部を資本準備金として計上することで、資本金の金額を抑えることも可能です。
この場合、登記簿謄本に表示される金額は資本金の額のみになりますので、対外的に取引先などが資本金を重視する場合は、この方法は難しいかもしれません。
なお、資本準備金に計上できる限度額は出資額の2分の1以下と定められていますので、2,000万円以上の出資額の場合は、当然消費税の課税事業者となります。

 

特定期間による判定

 

資本金1,000万円未満でも消費税の課税事業者になる場合があります。

消費税の課税事業者になるかどうかの判定は、上記の資本金だけではありません。
基準期間と特定期間のそれぞれでも判定することになるのです。
基準期間とは、単純に言ってしまうと前々事業期間(2期前)のことを言います。
対して、特定期間とは、前事業年度(1期前)の前半6か月間のことを言います。

 

前述の通り、第1期と第2期の場合は基準期間がありません。
しかし、特定期間は前事業年度(1期前)になりますので、第2期になると第1期の前半6か月間の特定期間について判定を行います。

 

特定期間の場合は、2つの点で判定があります。

  1. 特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていること。
  2. 特定期間の役員・従業員の給与・賞与の所得税課税対象額の合計額が1.000万円を超えていること。

上記の2つとも1,000万円を超えていた場合は、第2期が消費税課税事業者となります。

 

特定新規設立法人の場合

 

ちなみに、設立した法人が「特定新規設立法人」に該当する場合も、やはり資本金が1,000万円未満でも課税事業者となります。特定新規設立法人の判定は以下の通りです。

1. その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者により当該新規設立法人の株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者により当該新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
2. 上記1の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)の当該新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。

出典:No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき – 国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm)

 

キャッシュフロー上消費税の課税事業者となるかどうかでは、大きく違いが出ます。
法人設立の際は、資本金や消費税など検討する点が多くありますので、 事前に時間をかけてじっくり検討していく必要があるでしょう。

※当ブログの記事は執筆時の法律に従って書かれています。
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