2018.10.19 【目指せ水族館全国制覇!接待交際費で水族館にいくことはできるのか】新潟の税理士がお送りするブログ
気温もだいぶ下がり過ごしやすい日々が続きますね。
9月は連休もあったのでお出かけされた方も多いのではないでしょうか。
私は車を2時間ほど走らせて上越市まで行ってきました。
お目当ては今話題の「うみがたり」です。
6/26にリニューアルオープンした水族館なのですが 今回は建設や設計等として100億円以上を投じるビッグプロジェクトで、展示する生き物の数も4倍に大幅パワーアップしているそうです。
新潟県としては初のベルーガ(シロイルカ)や、世界一の飼育頭数を誇るマゼランペンギンの展示など、話題性ある内容がたくさんで地元も盛り上がっています。
生き物好きの私としてはとても楽しめました。
そして他の水族館にも行きたくなりました。
そこで思ったんです。
各県に営業をかけて、そこでできたお客さんと水族館へ行けば交際費で水族館全国制覇できるのではないかと!
この夢のまた夢のような話を実現させるために調べてみました。
接待交際費の定義
そもそも、接待交際費とは何の事なのでしょう。この点については、租税特別措置法第61条の4第4項で以下の様に規定されています。
交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいい、第一項に規定する接待飲食費とは、同項の交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第二条第十五号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。第二号において「飲食費」という。)であつて、その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているものをいう。
つまり、得意先や仕入れ先等に対して行う接待や贈答等が広く交際費として認められる、という事ですね。
あくまでも事業に関係するものが前提なので、個人的に遊ぶ為の費用などは接待交際費にはならないとのこと。
得意先の方が水族館好きなら全国制覇も可能ということですね!
接待交際費の上限
では、いくらまで認められるのでしょうか?
調べてみました。
大法人の場合
※自社の役員や従業員、これらの親族に対する接待のために支出するもの(社内飲食費)は除く。
中小法人の場合
以下のいずれかの金額が損金算入限度額となります。
①800万円×該当事業年度の月数÷12
②接待飲食費×50%
①と②のどちらを選択しても良いので、会社にとってお得な方を選べばOKです。
なお、基本的には800万円まで交際費の全額損金算入が認められる①の方が有利でしょう。ただし、接待飲食費だけで1,600万円を超える様なケースだと②を選んだ方がお得になりますね。
中小法人の場合、接待飲食費が1,600万円を超えることはなかなか無いでしょうから恐らく①を採用する会社が多いと思います。 接待飲食費が多くなりそうだと言う会社は、念のために接待飲食費とそれ以外をきちんと区分しておいた方が良いですね。
個人事業主の場合
個人事業主の場合は、法人の様な接待交際費の限度額は有りません。
従って、業務上必要な接待交際費であればいくらでも必要経費として処理する事ができます。
なるほど。。。
個人事業主であれば上限を気にせずに水族館巡りができそうですね!
(もちろん得意先の方に好んでもらえればですが、、、)
接待交際費にちょっと似ている会議費
調べていくうちに接待費と似ているものに会議費という言葉を目にしました。
接待費について紹介しましたが、その中でも飲食費については特別な扱いがされています。 少額な食事代を負担することについて社会的に失礼という意味合いもあり、税法上は接待飲食費のうち1人当たりの金額が5,000円以下のものについては接待交際費ではなく会議費として処理しても良いということになっています。
大法人、中小法人の場合は接待飲食費が50%までしか認められなかったり上限があったりするので、5,000円以下のものを会議費として計上することで法人税の節税にもつながりますね。
ただし、この場合は以下の事項を記載した書類(領収書や帳簿)を保存しておく事が必要となっています。
- 飲食等をした年月日
- 飲食等に参加した得意先や仕入れ先等の氏名・関係
- 参加した人の数
- 飲食代金・お店の名前・場所
- その他参考となるべき事項
接待交際費として認められない場合
一方で、なんでもかんでも交際費に認められるわけではありません。
仕事と関係ない人物・団体との付き合いによるものは交際費にできませんし、仮に仕事と関りがある関係だったとしても、金額が常識の範囲を超えた高額なものであれば税務署からも目を付けられてしまうことでしょう。
領収書や帳簿には接待した相手や内容などをしっかりと記載し、接待交際費なのにそれ以外のものと気付かず処理していないかなど、今一度見直して見てはいかがでしょうか。
「うみがたり」にはベルーガ、マゼランペンギン、イルカショーはもちろん、日本海をテーマにした様々な展示が魅力いっぱいです。
そして1階のレストラン「レストランテ ロス クエントス デル マール」では、マゼランペンギンの生息地であるアルゼンチンのアルゼンチン料理が食べることができます。
水族館の内装やレストランにもこだわりを持って作られているので 隅から隅まで楽しむことができますよ。
ぜひ行ってみてください。
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