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2017.06.09 【事前確定届出給与の手続きとメリットデメリット – 役員賞与について】新潟の税理士がお送りするブログ

先日、お客様から役員に対しても賞与を支給すことができるのかと質問を受けましたので、今回は役員賞与についてお話をしていきたいと思います。
役員報酬は定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与の3つに分類され、役員賞与は2つ目の事前確定届出給与に該当し、これを支給するためには手続きが2つ必要になります。

 

事前確定届出給与の支給の手続き

①株主総会

最初にすることが、事業年度終了後の定時株主総会です。そこで事前確定届出給与を支給することについての審議を諮り承認されること

 

②税務署への届出

税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出する。

届出の付表には支給日、支給金額を記載します。
この届出書の提出期限は定時株主総会があった日から1ヶ月を経過する日事業年度開始の日から4ヶ月を経過する日のいずれか早い日となります。

 

手続きの説明については以上で、次に最も重要な事前確定届出給与のメリット、デメリットについてお話をしていきたいと思います。

 

事前確定届出給与のメリット

  1. 一般的に役員に対して支払う定期同額給与に比べて、1月に多額の報酬を支払うことが可能なため、繁忙期など売上が集中する時期に事前確定届出給与を支給することによって資金繰りがしやすくなる
  2. 定期同額給与と事前確定届出給与の金額のバランスによっては年間の報酬金額の合計が同じ場合でも手取りの金額が事前確定届出給与を支給したほうが有利になる可能性がある。

 

例)定期同額給与が月額620,000円(年間で7,440,000円)の役員報酬の内訳を
定期同額420,000円、事前確定2,400,000円に変更した場合に手取りを比較すると

総支給額 健康保険 厚生年金 源泉所得税 差引支給額
前者 7,440,000 430,032 676,368 411,720 5,921,880
後者 7,440,000 423,096 583,641 376,793 6,056,470

 

※社会保険料の金額は東京都の表を参考にし、社会保険の被保険者は介護保険あり、源泉所得税は扶養人数0人で計算しております。

 

事前確定届出給与のデメリット

  • 業績の好調、不調に関係なく事前に届出をした給与の金額を指定した日付に支給しなくてはいけないこと。
  • 届出の給与と異なる金額を支給した場合、また指定した日付に支給せず別の日に支給をしてしまった場合はその事前確定届出給与の全額が損金不算入になること(事前に届出をした金額と実際に支給をした金額の差額ではなく、実際に支払った金額の全額)

 

 

これらのメリット、デメリットを理解したうえでうまく活用していきたいものです。

 

※当ブログの記事は執筆時の法律に従って書かれています。
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