2017.03.17 【運用利回りと生命保険】新潟の税理士がお送りするブログ
我々税理士事務所の人間が経営者と話す際には様々な指標をもとに話すことが基本です。
一般的な営業成績の話題では、原価率や営業利益率・経常利益率といった指標がもとになりますし、資金繰りに苦労された経営者や逆にキャッシュフローに強い関心をもっている経営者とは自然と自己資本比率や流動比率などの推移といった財務体質を示す指標の話題になります。また、キャッシュに強い中小企業の経営者に共通して感じられる印象は運用益に対しての鋭敏な意識です。経営指標でいうところの総資本回転率や自己資本利益率といった指標でしょうか。もちろん普段からこういった話ばかりでもないのですが、お金に対する考え方の根底にあるものは、こういった指標で表される年利のような“運用益”に対する意識が非常に高い印象を受けます。
例えば、年利が仮に0.5%下がると聞いたらどう感じますか?キャッシュリッチな経営者ほど0.5%「も」下がるとおっしゃいますし、資金繰りに無頓着な方ほど0.5%「しか」変わらないのかととらえられているように感じます。
さて、我々税理士事務所がお手伝いするもので運用益に関わるものの一つに節税や相続対策でご提案させていただく生命保険がありますが、運用益といった観点からはマイナスの改定が予定されています。
生命保険の保険料を決める要素としては、
- 統計データによる生存率死亡率の指標である「生保標準生命表」
- 金融庁が決める運用利回りの参考となる「標準利率」
- 保険会社各社の経費の要素である事業利率
の3つがあり、今般大きな改定が予定されています。
この4月以降の契約からは、生命保険の保険料を決める一つの要素である標準利率が下がることにより、保険料が上がることとなります。特に終身保険や養老保険といった貯蓄性の高いもの、被保険者が若い方であるほど影響が高い傾向にありますので、若い経営者の皆様は残りわずかな期間ですが、検討しているものがあれば3月中の契約が有利です。経営環境は厳しくなることが常ですが、準備できる対策を整え、キャッシュリッチな会社を目指しましょう。
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