2011.06.03 【クリニックの防災対策】新潟の税理士がお送りするブログ
今週担当の月岡です。
今回は「クリニックの防災対策」についてのお話しを。
私どもの顧問先にも数多くの診療所、医療機関があります。
新潟市では当初、東日本大震災のための計画停電が実施される予定となり、医療機関もその停電期間の対応を迫られました。
結果としては、幸いにも計画停電は実施されませんでした。
しかし今後も大災害がおこらない可能性は否定できません。
クリニックの防災対策
では、そのような事態に備えて医療機関はどのような準備・対応をしておけばよいのでしょうか?
(1)施設の安全対策
施設設備の安全対策は、地震対策の第一歩だといえます。
①立地条件の確認
地盤、地質、地形などの立地条件を確認し、山崩れ、落石、津波、延焼等の危険性などを事前に調査し把握
②施設の耐震診断と耐震化対策の実施
耐震診断結果に基づき、必要な補強工事や改築等の耐震化対策を実施する
③屋内外の備品や工作物の落下・倒壊に備えた対策の実施
- 屋内対策:窓ガラス飛散防止、医療設備や薬品棚・カルテ棚等の転倒落下防止、天井の照明器具等の落下防止
- 屋外対策:門・塀の倒壊防止、老木等の補強、不用物撤去、看板の落下防止
④危険又は有害な物品の漏出防止等
医薬品などの毒物・劇物のほか、放射性同位元素等の管理状況を確認
(2)必需品の備蓄等
備蓄等の内容は、医療機関の実情に応じたものとなりますが、ライフラインの途絶に備えて3日分程度の水と食料、医薬品、医療用具、その他の必需品の備蓄等が必要です。
- 飲料水(1日一人あたり3リットル)、生活用水等
- 非常用食料、日用生活品
- 医薬品、医療用具、医療ガス
- 動力・エネルギー供給源(自家発電装置等)
(3)職員の心構えと危機意識の醸成
職員自身や家族が被災し、非常事態におかれた場合でも、患者とその家族を守り被害を最小限にとどめるために必要なのは、日頃から十分な準備を裏付けとする適切な行動となります。
災害時対応行動の各ポイント
①身の安全の確認と状況把握
自身の安全確認と家族・家屋等の安全確認、状況の把握
②緊急出勤
勤務外職員に対する連絡と非常招集、出勤可能な職員は自主的に参集
③緊急措置
処置・治療中の患者の状況確認、動揺している場合は落ち着かせる
④初期対応
漏電・漏水・ガス漏れの防止、危険物拡散防止
⑤責任者の決定と指示命令系統の明確化
原則院長が責任者、院長不在もしくは事故ある時は看護師長等、協議手順
⑥臨機応変の対応
責任者から状況判断結果による対応方針を各部署に伝達
⑦治療中止の判断
処置・治療中患者の状況確認後、続行不能と判断した場合の介助要否等
⑧緊急避難・避難誘導
階段による避難経路を確保し速やかに患者を避難誘導、要介護者の避難介助
災害はいつ発生するかわかりません。
職員それぞれが自分の役割と責任の自覚のもと、非常事態はいつでも発生する可能性がある点を意識しながら、日常業務にあたる必要があるでしょう。
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