2022.01.31 【企業版ふるさと納税の拡充・見直しについて】新潟の税理士がお送りするブログ
最近はテレビなどでもふるさと納税という言葉を耳にすることが多くなりました。
ふるさと納税とは自分が応援したい自治体に寄付をすることで控除上限の範囲内で寄付した額の2,000円を超える部分について個人の所得税・住民税の控除・還付が受けられます。
その上自治体からその土地の名産品や特産品をもらえる制度となります。
今回お話する『企業版ふるさと納税』とは、法人が自治体に寄付をすると税負担が軽減される制度のことです。以前のブログでも概要は説明してありましたが令和二年度の税制改正にて大幅な見直しをされましたので改めて紹介させていただきます。
過去記事:【企業版ふるさと納税】新潟の税理士がお送りするブログ
正式名称は『地方創生応援税制』といい、自治体が実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」(以下「地域創生事業」といいます。)というものに法人が寄付をすることで税負担が軽減されます。
企業版ふるさと納税をすると、まずその額の3割を損金算入できます。
その後税額控除を受けることができます。
法人住民税 | 企業版ふるさと納税額の4割 |
法人税 | 法人住民税で4割に達しない場合、その残額。 ただし、企業版ふるさと納税額の1割を限度 |
法人事業税 | 企業版ふるさと納税額の2割 |
【損金算入】 3割 |
4割 | 2割 | 1割 |
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国税+地方税 | 法人住民税+法人税 | 法人事業税 | 企業負担 |
全体で寄付した額の9割の控除がされるというイメージとなります。
企業版ふるさと納税額の上限
企業版ふるさと納税の上限については以下のとおりとなります。
法人住民税 | 法人住民税法人税割額の20% |
法人税 | 法人税額の5% (法人住民税の控除額が寄付額の20%に達しない場合) |
法人事業税 | 法人事業税額の20% (地方法人特別税廃止後は15%) |
企業版ふるさと納税額の留意点
以下のような留意点がありますので細かい確認が必要となります。
- 個人のふるさと納税のように寄付による返礼品などの経済的な利益を受け取ることは禁止されています。
- 企業の本社が所在する地方公共団体への寄付は対象となりません。
- 本制度の対象期間は令和2年から令和6年度となります。
- 一回あたりの寄付の最低金額は10万円となります。
-
- 地方交付税の不交付団体である都道府県への寄付は対象となりません。
- 不交付団体で地方拠点強化税制の支援対象外地域とされている市町村への寄付も対象となりません。
個人のふるさと納税とは異なり返礼品がもらえないため旨味が少なく感じますが、地方への応援を考えている法人のかたは検討してみてもいいかもしれませんね。
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