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2015.12.25 【役員借入金と相続税】新潟の税理士がお送りするブログ

早いもので今年もあとわずかとなりました。
今日はクリスマスということで世間では賑わいを見せていると思いますが、私とはあまり縁がないイベントですね。
そんなことを言っているとさびしい奴だなと思われるので、このあたりにしておきます。

さて今回は、役員借入金が多額にあると相続税がかかってしまうことについて説明します。

役員借入金と相続税

例えば、会社を運営していくうえでお金が足りなくなったときに、社長が自らのお金を会社に貸して、会社側は役員借入金として受け入れて支払いのお金を確保します。
銀行などからの借入れと違って手軽にできますし、利息がないのでコストもかからないのでこの選択をする方も多々いらっしゃいます。
しかし、この役員借入金は、社長側からみると貸付金、いわば将来会社から現金として回収が見込まれるものなので、相続財産となって相続税の課税対象となってしまいます。
厄介なことにこの貸付金は、会社にお金がなくて返済不可能で実質的な貨幣価値がほとんどない場合でも、原則相続財産に計上しなければいけないのです。

従って、相続が始まる前に対策をしておくことが必要になります。
最も一般的な対策方法は、社長がその貸付金を債権放棄することです。
債権放棄をすることによって、社長の貸付金が減少し、同時に会社の役員借入金も減少します。
結果、社長の相続財産である貸付金は減少します。

ただし、債権放棄を受けた役員借入金は、債務免除益として会社の利益を増加させてしまうので、相続税の代わりに法人税が課税されます。
といっても繰越欠損金の残高があれば利益と相殺できるので法人税の心配をする必要はあまりないでしょう。

債権放棄であともう一つ注意すべき点は、債権放棄をした社長から他の株主へ贈与税がかかることがある点です。

箇条書きで示すと

  1. 社長が債権放棄をする
  2. 同時に会社側は役員借入金が減る
  3. 会社は借入金が減ったので、純資産が増加する
  4. 純資産が増加したので、純資産の一株当たりの単価が増加する
  5. 一株当たりの単価の増加部分が贈与を受けたことになる

とはいっても贈与税は、110万円の基礎控除があるので、多額の債権放棄でなければ贈与税がかかることはないでしょう。

このように貸付金の債権放棄は、複数の税金が絡んでくるので、実行する場合はあおば会計に相談していただければと思います。

それでは。

※当ブログの記事は執筆時の法律に従って書かれています。
法改正等により記載内容との相違がある場合がございます。
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