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2017.05.12 【中小企業等経営強化法】新潟の税理士がお送りするブログ

以前に中小企業等経営強化法に基づく税制措置の一つである中小企業経営強化税制について紹介いたしましたが、今回も同税制措置の中から紹介したいと思います。

 

今回は『固定資産税の特例』です。これは中小企業者等が適用期間内に中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得した場合、固定資産税が3年間にわたって2分の1に軽減されるというものです。

これだけだと内容が理解しがたいと思いますので一つ一つ簡単に説明させていただきたいと思います。

 

中小企業者等とは

前回の復習になりますが、中小企業者等とは次のものをいいます。

・資本金若しくは出資金の額が1億円以下の法人

※資本金が1億円以下でも中小企業とならない法人もあります。

・資本金若しくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人

 

一定の設備とは

続いて今回の改正点の中でも重要になってくる『一定の設備』とはどういったものがご説明します。

従来ですと、固定資産税の特例は機械装置のみ対象でしたが、平成29年度改正により地域・業種を限定したうえで器具備品・工具及び建物付属設備についても拡充されました。

では、より詳しく見ていきましょう。

まず、拡充されたからと言って全てのものが対象となるわけではございません。一定の要件をクリアした対象設備のみ適用となります。要件は以下の通りです。

①一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はない)

②経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率など)が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備

※①、②については工業会等から証明書を取得する必要あり

〈対象設備〉

設備の種類 用途又は細目 最低価額 販売時期
機械装置 全て 160万円以上 10年以内
工具 測定工具及び検査工具 30万円以上 5年以内
器具備品 全て 30万円以上 6年以内
建物付属設備 全て 60万円以上 14年以内

 

限定される・業種

次に上記で平成29年度より追加された器具備品・工具及び建物付属設備については地域・業種で限定されると記載しましたが、どのような地域・業種が限定されるのが説明いたします。尚、機械装置については従来通り全国・全業種が対象となります。

限定される地域は以下の7都府県です。

埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府

※地域の判断は、設備の所在地であること。

そして限定された地域の中で中小企業庁のホームページに記載されている地域別の業種リストにおける対象業種に該当しないものについては適用できなくなってくるという仕組みです。

 

ざっくり制度の概要をご説明しましたが、今回の中小企業等経営強化法に基づく税制措置はより多くの中小企業者の方が適用できるよう改正されました。まだ施行されて間もないためご存知の方も少ないかと思います。また、今回の税制を適用するためには原則事前申請が必要になります。このブログをご覧になっていただいている方の一助となれば幸いです。

※当ブログの記事は執筆時の法律に従って書かれています。
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