2018.09.14 【包装材料等の取扱い – 消費税軽減率制度】新潟の税理士がお送りするブログ
消費税軽減税率制度とは?
2019年に消費税が8%から10%に引き上げられます。それにともない、消費税の「軽減税率制度」が実施されます。
「軽減税率制度」とは、主に低所得者層の負担軽減を目的に、2019年10月1日以降に行われる食料品などの生活必需品に対して適用される制度です。
対象物品
対象物品は飲料食品(酒類を除く)と週二回以上発行される新聞とされています。
飲料食品の中には、宅配ピザのような宅配やテイクアウト、有料老人ホーム等で行われる飲料食品の提供も含まれています。
また、酒類やレストラン等での外食、パーティー等にあるケータリングについては軽減税率の対処にはなりません。
週二回以上発行される新聞は主に政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載するもので、週二回以上発行され定期購読契約によって購入するものを言います。
そのため駅売り新聞などは定期購読契約ではないため軽減税率の対象にはなりません。
対象品目 | 税率 | ||
---|---|---|---|
飲料食品 | 人の飲用または食用に 供されるもの |
軽減税率 | |
テイクアウト・ 宅配 |
軽減税率 | ||
酒類 | 標準税率 | ||
外食 | 標準税率 | ||
ケータリング | 標準税率 | ||
有料老人ホーム等での 飲料食品の提供 |
軽減税率 | ||
新聞 | 週二回以上発行 定期購読契約 |
軽減税率 | |
定期購読契約ではない | 標準税率 |
では、食品や飲料を譲渡する場合に使用される容器や包装についてはどのような取扱いになるのでしょうか?
飲料食品を譲渡する際の包装材料等の取扱い
飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(以下「包装材料等」といいます。)
が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、
その包装材料等も含め軽減税率の対象となる「飲食料品の譲渡」に該当します。
国税庁「よくわかる消費税軽減税率制度(平成30年7月)」より引用
少しわかりにくいのでもう少し具体的な例を挙げます。
例1:豚肉の容器であるトレーやラップはどのような扱いになるのでしょうか?
これらは、豚肉とセットで販売され、豚肉が消費された時に不要になるため軽減税率の対象になります。
例2:プレゼント用に購入した物のラッピング代はどうなるでしょうか?
ラッピング代など別途対価を定めているものは軽減税率の対象にはなりません。高級な器に入ったプリンやティーカップとセットで販売されている茶葉のように、飲食に使われた後に食器や装飾品として利用できるものを食品と組み合わせて販売しているものは「一体資産」と呼ばれます。
一体資産とは?
一体資産とは食品と食品以外が一体となっている資産でその一体の資産に係る価格のみが提示されているものを言います。
その中でも、税抜価額が1万円以下であって、食品に係る部分の価額の占める割合が2/3以上のものが軽減税率の対象になります。 一体資産にはおもちゃ付きの食品等も含まれていますが、次のものは一体資産には含まれないことになっています。
食品と食品以外を組み合わせたものでその組み合わせ価格と一緒に個別の価格を提示しているものや食品と食品以外を顧客が自由に組み合わせることができるように販売している場合は一体商品として扱われません。
例として「〇〇セット1,000円(内訳 A商品400円 B商品300円 C商品300円)」と価格表示されているものや「このワゴンボックス内の商品は、よりどり3品1,000円」といったものは個々の商品毎に適用税率を判定することになります。
また、3品1,000円のように個々の商品の価額がわからないときは適用税率ごとに合理的に区分することになります。
最後に
ここまでの消費税の軽減税率と包装材料等の取扱いについて簡単にまとめると以下の通りです。
- 軽減税率が適用になるのは飲料食品と新聞
- 飲料食品と新聞の中でも軽減税率が適用されるものと表示税率が適用されるものがある
- 飲料食品の容器や包装は販売に付帯して必要な場合は軽減税率
- 一体資産は軽減税率の対象
ここで紹介した包装材料の取扱いにつきましては、食品と一緒に販売した場合に限ります。
包装材料等の販売者が飲料メーカーに販売する缶やスーパー等の小売店に販売するトレーは、容器そのものの販売になりますので軽減税率は適用されません。
一概に飲料食品や新聞と言っても、その種類は様々で区分が難しいと言われています。
消費税軽減税率制度は、来年の10月からの適用となります。
自分が取り扱う商品について今から少しずつ適用される税率は軽減税率の対象商品かどうか考えてみてはいかがでしょうか?
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